2019/01/04 20:22


夏休み。
宿題をカバンに隠しながら、
せみの声に包まれた朝。
あの日を待ったの。


夏祭り。
氷菓子を溶かしながら、
どきどきを隠したまま。
花火を待ったの。


ゆかたを着て、笑ってるきみ。
ゆかたを着て、笑うわたし。
きっと違う種類の幸せのかたち。
ともだちの中のきみとわたし。


「打ち上がったね。」


「ほんとだね。」


「_____ 。」



誰にも聞こえないように、
誰にも気づかれないように、
花火の音でごまかして、
こころの中で繰り返した。




words: nishimoto yugo (Wink Mark)