2019/02/05 04:26



あなたに教えてもらった歌は、
恥ずかしげな恋の歌。
眠そうな教室の中で、
この幸せは私だけのもの。

ひとりの電車の帰り道も、
イヤホンがずっと奏でてくれた。
あなたとは全然違う声だけど、
あなたが歌ってくれている気がしたよ。


歌に出てくる女の人みたいに
美しい人にきっとなれたら、
あなたの自慢の人になれたりするのかな。

あなたに教えてもらった歌は、
恥ずかしげな恋の歌。
眠そうな教室の中で、
この幸せは私だけのもの。

ひとりの夜も雨の日も、
イヤホンが聴かせてくれた。
歌詞も全部覚えたんだけど、

あなたとの距離は少しも…。


歌に出てくる女の人みたいに
美しい人にきっとなれたら、
なれたら、

「きっとなれたら。」


あなたに教えてもらった歌は、
おとなになった今も聴いている。
あなたは届かない存在の方が、
よかったのって言い聞かせるの。

聴くたびに過去に色が戻るから、
懐かしさに色が戻るから、
今もこの幸せは私のもので、
それでいいと思えるんだよ。

だって、
歌に出てくる女の人も。
多くを望まない人だったんだから。




words: nishimoto yugo (Wink Mark)